Tilera、デュアルコアXeonより10倍高速な64コアCPU「TILE64」(PCWatch)
記事を読んだ第一印象は牧野先生のスーパーコンピューティングの将来の「計算機開発は失敗するものか?」の話を本当に形にしてみました、という感じでした。クロックが1/3で性能が10倍なのでチップ当たりの並列度は30倍ぐらいということですね。
公式サイトの「Architecture Brief 」を見たところ3wayのVLIWだそうです。低消費電力のVLIWというとTransmetaを思い出しますが、動作環境がLinuxだけでコンパイラはC言語のみの対応というとことからするとx86との互換性はなさそうな感じがします*1。
H.264のエンコードって1ストリームあたり32コアも使いきれるのですね〜。
ライバルはXeonというよりはDSPやASIC、FPGAなんかの組み込み系プロセッサ(CELLも?)のような感じがします。人間の操作起点で動くGUIアプリケーションで64コアを使い切るようなことは想像しがたいので、並列処理を考えるときにDLPと言いたくなる気持ちがちょっとわかりました。
もう一つの方向性としてサーバー上のサービスがあってWebサーバーなんかもそうですが、Tileraの紹介でもあったルーターやハブなんかも含まれるリクエストベースの並列処理もあると思っています。新語を勝手に作っていいならRLP(Request-Level Parallelism)ですね。
ルーターって普通の組み込み向けCPUが使われているので、CPUのみですべての処理をする家庭用はいまいちだったりします。でもこういうマルチコアプロセッサがルーターに使われるようになるとかなり改善が期待できるような気がします。比較対象がXEONだと家庭用ルーターに使えるような値段ではなさそうですが(TT