AMD+ATI=?

存続会社としてはAMDなのですが、PCの未来がどう変わるのか? について書いてみようと思います。
ニュースサイトの記事やコラムでもこの件が扱われていますが、具体的にユーザーにどういうメリットがあるのかについての予測までは書かれていません。他人がする予想が当たる確率は低く、たいした価値があるわけでもないのですが、わたしの考える未来が書かれている記事を発見できなかったので願望も込めて以下に記しておきます。
ATIGPUが現時点でCPUのダイに乗るコプロセッサとしておもしろいとわたしが思うのは、非対称構成で協調動作できることです。
この前提にしたがって、AMDのコンシューマ向け、おそらく4コアか8コアの世代にCPUのコア数を減らして乗ってくるGPUに何を期待できるのかは以下になります。

  1. ローエンド向けに現在のグラフィックス統合チップセットの代替としてのグラフィックス機能
  2. ヘビーゲーマー向けに、ハイエンドGPU搭載PCにおいてCrossFireで物理演算を行なう
  3. GPGPUとしての計算能力(CrossFire構成として他のGPUと協調動作できる可能性も)

1.と3.は搭載されるとしたら当然の最低限の役割で、実現される可能性があって、されたらおもしろいのは2,だと思います。
過去にチップセット統合グラフィックスといえばローエンド向けのコスト削減のためのものであり、ハイエンドまでいかなくても単体ビデオカードを利用するほとんどのユーザーのPCにとっては余計なものでしかありませんでした。ですがAMDCrossFireの場合には、CPU内蔵GPUはメモリ帯域をあまり必要としない物理演算を担当することによってユーザーに貢献することができる可能性があります。

営業的には「AMDGPU内蔵CPUはローエンドからハイエンド、エンスージアストまで全てのユーザーにベネフィットがあります。是非AMDGPUとあわせてご利用ください」という具合になるのでしょうか(’’

また、AMDにはノートPC向けに複雑なグラフィックス統合チップセットを別途開発しなくてよくなるという利点もあります。ノートで利用できるGPU内蔵CPUを開発すれば後はサウスブリッジだけです。サウスブリッジぐらいは何とかなるでしょう。低消費電力向けはEDENのVIAも比較的注力しているでしょうし。

最終的には標準APIが策定され、Intel CPU内蔵のコプロセッサNVIDIAGPUも混在して協調動作するようになったりもするのでしょうが、その流れの中でAMDが一歩先んじそうな雰囲気です。

余談ですが、GPGPUという枠組みではNVIDIAがCUDAを発表してGPGPUの標準インターフェース策定競争で先頭を切りました。が、今のところそれを支持する勢力、ユーザーは無く、これでおもしろいものを作ってくださいという状況です。どうしてそんな地に足が着いていないことをするのか、という理由には、AMDGPU内蔵CPUが出荷された後からの勝負ではインストールベースでは勝算が薄いと予想されるので、今のうちにできるだけ先行しておきたいという目論見があるものと思われます。